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Raspberry Pi B+ と L-05A で SORACOM Air(nano SIM)を試してみた

はじめに

SORACOM SIMを入手したので試してみたのでその備忘録的なメモ。

現在は以下のような状態です。

(L-05Aはこの時たまたま横向きになっていて普段は上向きになっています)

以下今回準備したもの

  • Raspberry Pi B+
  • SORACOM Air データ通信 nanoSIM
  • L-05A

設定方法

設定方法は下記サイトを参考に行いました。

必要なものをインストール

まずは設定に必要なものをインストールします。今回自分がインストールしたのは以下の3つです。

  • eject
  • minicom
  • pppconfig

これを以下のようにインストールしました。

sudo apt-get install eject minicom

sudo aptitude install pppconfig

インストール完了後、早速L-05Aを接続して通信の設定を進めます。

L-05Aの設定

まずdmesgコマンドで接続を確認します。 デバイスを認識していると以下のような出力があるので確認しましょう。

> dmesg
usb 1-1.2: Product: FOMA L05A
中略
cdrom: Uniform CD-ROM driver Revision: 3.20
sr 0:0:0:0: Attached scsi CD-ROM sr0

確認後は早速CD-ROMをejectコマンドで/dev/sr0から取り外します。

> eject /dev/sr0
eject: イジェクトできません, 直近のエラー: 無効な引数です

ここで上記のように無効な引数ですと出力されていても取り外しは実施されています。

dmesgコマンドを実行すると以下のようにttyACM0ttyACM1ttyACM2が新たに認識されていることが確認できます。

> dmesg
usb 1-1.2: Product: FOMA L05A
usb 1-1.2: Manufacturer: LG Electronics Inc.
cdc_acm 1-1.2:1.0: ttyACM0: USB ACM device
cdc_acm 1-1.2:1.2: ttyACM1: USB ACM device
cdc_acm 1-1.2:1.4: ttyACM2: USB ACM device
usbcore: registered new interface driver cdc_acm
cdc_acm: USB Abstract Control Model driver for USB modems and ISDN adapters

ttyACMが認識されていることを確認できたら次はminicomコマンドで接続し、APN設定をL-05Aで行います。

この時設定はttyACM0で行います。

L-05Aへの接続コマンドは以下の通りです。

minicom -D /dev/ttyACM0

接続後はまずAT+CGDCONT?でAPN情報を表示してCIDを確認します。実行結果は以下のようになります。

AT+CGDCONT?

+CGDCONT:CID,"PPP","hogehoge.ne.jp",,0,0
+CGDCONT:CID,"IP","hogehoge.net",,0,0

OK

この上記でCIDと表記している部分には何かしらの数字が入っており、それがCIDです。

既に利用されているCID以外で今回のSORACOMAir用のAPN情報を登録します。

私の場合は1と3が利用されていたのでCIDは2を利用しました。

登録にはAT+CGDCONT=n,"IP","soracom.io"(nは利用するCID)というコマンドを入力します。実行結果は以下のようになります。

AT+CGDCONT=n,"IP","soracom.io"
OK

また登録の内容にミスがありその設定を削除したい場合はAT+CGDCONT=n(nは削除したいCID)というコマンドを入力します。実行結果は以下のようになります。

AT+CGDCONT=n
OK

コマンド実行後はAT+CGDCONT?で登録できたことを確認しましょう。またAPN情報登録に使用したCIDはpppconfigでの設定時に利用します。 確認後はCTRL-A Xでminicomを終了します。

Raspberry Pi の設定

ここからはpppconfigを使った設定について説明します。

まずsudo pppconfigで設定画面を起動します。次に「Create 接続の作成」を選択します。

以降は画面に表示される内容に沿って、内容を入力していきます。私は以下のように入力しました。

プロバイダ名:soracom
DNSの設定:Dynamic  動的 DNS を使う
認証方法:CHAP
ユーザ名:SIMのパッケージに記載されているもの
パスワード:SIMのパッケージに記載されているもの
速度:460800
パルスまたはトーン:Tone
電話番号:*99***n#(nはCID)
モデムの設定方法を選択:いいえ
手動でモデムポートを選択する:/dev/ttyACM0

入力完了後は「Finished ファイルを書き出してメインメニューに戻ります。」を選択して設定を終了します。

その後、確認画面が表示されるので進んでいくと最初の画面に戻るので「Quit このユーティリティの終了」でpppconfigを終了します。

pppconfigの終了後、次に/etc/ppp/peers/プロバイダ名のファイルを開き、以下の一行をファイルの一番下に追記します。

replacedefaultroute

追記後はファイルの変更を保存してponコマンドで起動を確認します。 具体的なコマンドは以下の通りです。

sudo pon プロバイダ名

起動ができるとL05-Aの通信ランプが緑色から青色になります。

またifconfigコマンドを実行するとppp0の項目があり、ipアドレスなども確認することができます。

接続を終了する場合にはpoffコマンドを使用します。 具体的なコマンドは以下の通りです。

sudo poff プロバイダ名

接続が終了するとL05-Aの通信ランプが青色から緑色になります。

またifconfigコマンドからppp0の項目もなくなります。

設定については以上です。

おわりに

設定中に気になった点としてL-05Aが横向き(冒頭の写真)状態だとejectを何回やってもすぐCD-ROM認識状態に戻って、接続できなくなるということがありました。

ただし上向きにすると問題なくejectでき、使用することもできました。